ちょうどコロナ禍の時に、がんで奥様を亡くされたということは伺っていたのですが、数年後には自分も腫瘍があることが分かり、とてもお辛かったであろうと思うのですが、予想外にも「腎臓は2つありますから、なんとかなると思うのです」なんておっしゃいます。彼とは対照的に、私の方が、思いがけない知らせに、受け入れることができず、あたふたしていたような気がします。

 普段から頻繁に連絡を取り合うような関係でありませんが、しばらく連絡がなかったため、「どうしたのだろう」と不安に思っていた矢先、1度目の術前検査がうまくいかず、2度検査をすることになったこと、そして転移はなく、手術を受けることになったという連絡が届きました。

 体調が良くなってきて、最近は趣味のバイオリンも弾いているという彼に、久しぶりにカフェでお会いすることになりました。「転移していないとわかると、ドクターは手術しましょう、と乗り気になっちゃって。私は気が弱いものですから、断れず、手術をすることにしました」と、いつもの調子でそう話す彼。少し痩せてしまったような印象を受けましたが、「手術は6週間後だそうで。ちょっと拍子抜けしましたよ」と笑顔で話す様子に、ホッとしたことを覚えています。

「手術が無事に終わり、翌日には退院し、自宅で療養しています」という連絡が届いたのは、つい最近のことです。思った以上に体へのダメージは大きいようで、寝たきりの状態が続いていて、回復には時間がかかりそうだとおっしゃいます。

 1日も早く体調が良くなり、また彼のバイオリンの音色が聴ける日を今か今かと楽しみにしている今日この頃です。

 さて、がんといえば、一般に、年齢が高くなるにつれて、発症リスクが高まることで知られていますよね。しかしながら、最新の研究結果によると、どうやらより若い世代で多く見られるがんがあることがわかってきたというのです。

 今年の8月、医学誌「ランセット」[※3] に掲載された調査結果によると、より年齢の高いグループよりも、より若い世代で多く見られるようになっている17種類のがんが特定されたというではありませんか。

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がんリスクに対処する必要性