是枝伸子氏自身の例で言うと、顔の下半分を鍛えていればOKだったのは「30代」までだった photo 横山順子
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「デンタル美顔プロデューサー」という肩書を聞いたことはあるだろうか。歯科医の立場から、若く美しく見える顔について長年研究してきた是枝伸子氏が、独自のメソッドである「デンタル美顔」を確立し、これを施術する者として正しく指導したり世の中に広めたりするために、名乗り始めた肩書だ。

 是枝氏は、歯科クリニックで副院長として通常の歯科診療に従事するかたわら、デンタル美顔の施術も行い、さらにプライベートサロンでデンタル美顔に特化した施術や指導をしたり、後進を育成したり、講演で日本中を駆け回ったりしている。

MEGUMIが実践し注目の的

 彼女を一躍有名にしたのは、2015年に出版した自身の著書『美人に見られたければ顔の「下半分」を鍛えなさい!』(講談社)。そして、俳優・タレントのMEGUMIさんが自身の著書『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)で、是枝氏の顔の下半分美顔術を実践したところ明らかに口まわりの変化を阻止できたと書いたことで、注目を浴びた。しかし、その是枝氏は9月6日発売の新著『若く見られたければ、顔の下半分と首から下を鍛えなさい!』(朝日新聞出版)でこう書いている。

「顔のマッサージやエクササイズの美顔術をやっているだけでは、顔の老化は止められない」

『美人に見られたければ顔の「下半分」を鍛えなさい!』から約10年の間に、いったい何が起きたのか。この記事では、『若く見られたければ、顔の下半分と首から下を鍛えなさい!』の冒頭部分を引用しつつ、「顔のマッサージやエクササイズの美顔術をやっているだけでは、顔の老化は止められない」という言葉の真意を読み解きたい。

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 そもそも、デンタル美顔の特徴は次の4つ。

  • 外科的なアプローチではなく、使っていない筋肉を鍛え、使いすぎの筋肉をゆるめることによりバランスをよくする。
  •  無理なく続けられて、正しく行うことにより、副作用が生まれにくい。
  • 医学的、歯科的に専門知識に基づいたマッサージ・エクササイズを行い、なんとなくではなく、科学的に分析する。
  • 左右対称に近づき、顔のバランスがよくなる。また効果を実感でき、自分参加型のため楽しく続けられる。
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40代になってわかった