あるコスメメーカーの関係者は「インフルエンサーが勝手にPRしてしまうことは昔からあった。『自分はこの企業からPR依頼を受けているんだ』とアピールするためだと認識している」

 と語る。そうした“勝手に㏚”が昨年10月以降急増しているように見えると打ち明ける。

 コスメメーカー大手の「コーセー」も、 勝手にPRするインフルエンサーが増えていることに驚きを隠せないという。

 同社宣伝部によると、昨年10月から、依頼していないインフルエンサーが同社の商品について、勝手にPR表記して投稿している件数が増えているという。主にインスタグラムが舞台になることが多いようだ。

 宣伝部の担当者は、

「調べてみると、勝手にPRをつけているものであっても、弊社の商品を良いと思って善意でされている人が多いと感じました。現状は、弊社から何かしらのアクションを起こすことは考えていません」

 と話した。

イメージとかけ離れるのは避けたい

 カネがかからず勝手に宣伝してくれるなら、企業にとってはラッキーなのでは……、と思いきや、どうやらそうでもない。

 同社は、広告案件をインフルエンサーに発注する場合は、広告会社やキャステイング会社に依頼し、インフルエンサーのリストなどからさまざまな情報を把握した上で決めるという。投稿内容は社内の担当者が確認し、薬機法に違反した内容になっていないかなど、細かくチェックする。

 仮に「シミが消える」などと法に抵触するような文言が書かれた状態で、勝手に㏚と表記されると、企業がそれに“お墨付き”を与えているようにも取られかねない。

 コーセーの担当者は、

「もちろんそうした表記がされてしまうリスクは認識しております。それを確認した場合はもちろん、修正や削除の依頼をすることになります」

 とのこと。

 ただ、ある化粧品メーカーの担当者は、

「企業も商品とイメージがあった人にPR案件をお願いしている。無償でPRしてくれてうれしいと思う気持ちもあるが、イメージとあまりにかけ離れて、商品ブランドに傷がつくことは避けたい」

 と本音を打ち明ける。

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「対価が発生しているか、いないかは関係ない」