なぜ大江戸線だけ冷房が強めなのか。

 運営する東京都交通局によると「冷房のきき具合が異なるため」という。

「大江戸線で使う車両はほかの路線よりも小さく、そのぶん冷房機器のサイズも小さくなる。このため空調のパワーが落ちるほか、施設のつくりや構造なども関係していると考えています」

 もちろん、「体感温度はほかの路線と同程度になるように設定」しているという。

「設定温度が低いからといって、ほかの路線よりも寒く感じるわけではありません」

 どの鉄道事業者も、日々の気温の変動によって、弱冷房車の設定温度や運用の仕方を変えることは基本的にはないようだ。「時間帯や気候による変更は行っておりません」(西武鉄道)といった回答が目立つ。

 ただし、鉄道の空調は、すべてを機械任せにしたり、かたくなに設定温度を守るなど硬直的に運用したりしているわけではないという。

「マイコン制御により自動的に温度調整」を行うという京成電鉄は、「車掌が天候や車内の混雑状況等を考慮し、必要に応じて空調機器を操作しています」というし、東京メトロも「乗務員がその日の外気温度・車内温度・湿度・混雑状況等を加味して空調を調整し、できる限り快適な車内空間の提供に努めています」としている。京浜急行電鉄も「乗務員の体感とセンサー」を交えて調整するという。

 小田急電鉄は、空調は自動運転だが号車ごとに室温を管理しており、通常の冷房車両と弱冷房車で2度の差を設ける際、単に冷房の機能だけでなく「除湿」や「送風」の機能も使って微調整を行うことがあるという。空調以外にも熱吸収ガラスや紫外線カットガラスを用いるなど、室温を抑える工夫も凝らしている。

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