残暑は今年も長引きそうだ。暑い日が続くと、存在感が上がるのが電車の冷房だ。ほっと一息つけることもあれば、過度にヒヤッと感じることもある。猛暑の最近はSNSなどで「弱冷房車」がやり玉に挙げられることもある。ズバリ、「弱冷房」と「冷房」の境目って?
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「弱冷房車の存在必要?」「弱冷房車あるなら強冷房車もつくってほしいよね」
X(旧ツイッター)には、乗客とみられる人々から、たびたびこんなアンチなコメントが投稿されている。
もちろん、「弱冷房車じゃないと冷えすぎる」「弱冷房車でも十分冷房きいてます」とかばう声もある。論争になり、「弱冷房車」という言葉がトレンド入りすることもある。
弱冷房車は関西地方の京阪電鉄が1984年に導入したのが最初だとされる。その後、ほかの地域にも広がり、首都圏ではJR東日本が1987年に東海道線と横須賀・総武(快速)線に導入した。
JR東日本によると、導入したのは、「冷房が苦手なお客様にも快適にご利用いただくため」(広報担当者)だったという。
首都圏の8つの鉄道事業者に聞いたところ、設定温度は28度が多数派で、通常の冷房車両の25~26度より2~3度高く設定されることが多いようだ(下の表)。
JR東日本は「非公表」だが、過去の新聞報道や鉄道関連のサイトなどによれば路線によって通常の冷房車両の設定温度が違うとされ、それぞれ「一般の車両よりも2度ほど高く設定しています」としている。
少し基準が異なるのが都営地下鉄だ。浅草線と三田線、新宿線は通常の冷房車両が25度、弱冷房車が28度に設定されているのに対し、大江戸線は通常が22度、弱冷房車が24度と、ほかの3つの路線よりも通常で3度、弱冷房車で4度も低い。つまり、大江戸線はキンキンじゃないか!?