日本ハムの森本稀哲コーチ

急な制止で走者が負傷交代

 日本ハムの三塁コーチャーを務める森本稀哲外野守備走塁コーチも批判の対象になった。

 6月21日の楽天戦(エスコンF)、7回2死二塁の場面、郡司裕也の左前打で二塁走者の水野達稀が三塁を回ったところで森本コーチが両手を広げてストップを指示。急ブレーキをかけた水野は右足首をひねり、そのまま負傷交代となって翌日登録を抹消された。この森本コーチのストップ指示について、判断が遅かったのではなどとSNSで批判が殺到した。水野はこのけがによって、ファン投票で初選出されていたオールスターを欠場することにもなった。

 8月27日の楽天戦(エスコンF)では、同点の延長12回2死一塁で、石井一成が左中間を抜ける打球を放つと、一塁走者のマルティネスを一気に本塁へ突入させたが、楽天の中継プレーに阻まれ憤死。この森本コーチの判断にも批判の声が上がった。

 だが、前出のプロ野球OBは「この判断は責められない」と擁護する。

「楽天の中継プレーが少しでも乱れていたら、マルティネスは本塁に生還していた。相手の守備力を称えるべきでしょう。延長戦で野手がほとんど残っていない状況で、マルティネスに代走を出す選択肢をベンチは取らなかった。水面下でいろいろな駆け引きが行われているので、目の前で起きたプレーだけで判断するのは酷な部分がある。森本コーチの判断に迷いが生じていた7月上旬、新庄剛志監督の発案で三塁コーチャーが谷内亮太内野守備走塁コーチに代わった時期があります。一度外れることで冷静に見られる部分もあるでしょう。ソフトバンクの場合はどうするか。小久保裕紀監督の決断が気になりますね」

 井出コーチが体調不良で欠場して以降は、本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチが三塁コーチャーに入っている。首位を快走するソフトバンクはCS、日本シリーズを視野に入れて戦う。短期決戦は状況判断が勝負の明暗を分ける。井出コーチが復帰後に三塁コーチャーで起用し続けるか、それとも――。

(今川秀悟)

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