投打ががっちりかみ合い、首位を快走するソフトバンク。マジックを着実に減らし、4年ぶりのリーグ優勝が見えてきた。ただ、気になることがある。三塁コーチャーを務める井出竜也外野守備走塁兼作戦コーチが体調不良により、8月27日のオリックス戦からベンチを外れている。実は井出コーチの本塁突入の状況判断を巡り、SNS上で批判の声が殺到する事態になっていた。
【写真】監督から「信じられへんわ」と苦言を呈されたのはこのコーチ
「体調不良の詳細が分からないですが、三塁コーチャーは大きなストレスがかかる役割です。試合展開、気候、外野の芝の状態、走者の走塁能力、外野を守る選手の肩の強さ、正確性、捕球体勢などを加味して、本塁に突入させるか、静止させるかを瞬時に判断しなければいけない。井出コーチの場合は1週間に3度、本塁憤死があったので、状況判断に疑問を呈する矛先が向けられました」(スポーツ紙デスク)
強打者の前の突入を野球解説者も批判
8月20日の楽天戦(楽天モバイル)。初回2死一塁から山川穂高が左翼線を破る二塁打を放つと、三塁コーチャーの井出コーチが腕を回して一塁走者・今宮健太を本塁へ向かわせたが、楽天の中継プレーで本塁タッチアウト。次の打者が打率トップの近藤健介だったことを考えると、「リスクを背負って本塁突入の必要がない」という指摘が野球解説者から相次いだ。先制機を逃したソフトバンクは、2回以降は立ち直った相手左腕・早川隆久を攻略できず、完封負けを喫した。
25日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では3点差を追いかける3回1死一、二塁、牧原大成の左前安打で、井出コーチが二塁走者・周東佑京に本塁突入を指示したが憤死。球界屈指の快足を誇る周東をもってしても完全にアウトのタイミングだった。浅い守備位置から送球した左翼・水谷瞬は昨季までソフトバンクに所属していたので、井出コーチは守備能力を熟知している。送球の正確性に欠けるイメージがあったのかもしれないが、結果としてこの本塁憤死で試合の流れを手放す形となり、3-5で敗れた。