大城が一塁で起用されることに伴い、4番の岡本和真が左翼を守るなど、守備面ではチームにネガティブな効果をもたらす側面もあるが、今の流動的な起用法が阿部監督はベストと見ているようだ。
「岡本の左翼の守備には不安があるが攻撃面を考えれば最適な布陣。今季は飛ばないと言われるボールの影響もあり各球団が得点力アップに必死。守備面のリスクと天秤にかけたうえ判断しているはず」(在京球団編成担当者)
大城の起用法が難しくなってきている状況ではあるが、このまま順調にいけば今シーズン中に国内FA権を取得することから、その去就が早くも注目されている。捕手として出場することに“こだわり”があれば移籍の可能性もあるという声もでている。
とはいえ、ここ最近のプロ野球のトレンドとして捕手の併用はどの球団もやっていること。むしろ今のような打撃を生かしながら捕手と一塁の両方で起用されてこそ大城が生きるという意見もある。
理想型となるのはオリックスの森友哉だ。捕手としてプレーしたいという意思はあるのだろうが、武器の打撃を最大限に生かすために外野手や指名打者(DH)でのプレーが増えてきている。
「森は捕手だけでなく外野を守ることもある。またパ・リーグ球団所属ということもありDH起用もある。コンディションなどを考慮しながら、強打を生かしたいベンチの思いが伝わってくる」(在京テレビ局スポーツ担当)
今季のオリックスの捕手は高い守備力を誇る若月健矢が77試合と最も多く起用され、森は2番目の47試合となっている。森は外野手やDHでも起用され、攻撃面での貢献が目立っている。
「(前所属である)西武時代の森は捕手での出場にこだわりを持っていた。しかし年齢を重ね捕手としてのフル出場は厳しいと感じ始めた部分もあるのだろう。球界屈指の打力を最大限に生かすため、チームと本人の思いが一致した結果が今の起用法」(在京球団編成担当者)
大城は「もっと良い捕手になりたい」と常に口にしている。しかし31歳という年齢もあり、捕手として常時出場が厳しいのも本人が一番わかっているはずだ。