旧統一教会をはじめとする一部の新興宗教は、女性と結びつき勢力を拡大してきた面がある。女性につけ入る旧統一教会の手口とは。AERA 2023年1月16日号から。
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「このままだと、子どもや家族が不幸になります。『神様の勉強』をしていかないといけません」
40年ほど前、「宗教2世」の井田雫さん(40代、仮名)の母親(70代)は、ある人からそう言われた。その人物は旧統一教会(今の世界平和統一家庭連合)の信者だった。
母親は会社員の夫の家に嫁ぎ、夫の両親とも同居していた。井田さんが生まれ、一人で家事や子育てをする中、亭主関白の夫や義理の両親からきつい言葉をかけられた。地方の閉鎖的な環境の中、孤立し、精神的なストレスも抱えていた。
そんな時に近づき、宗教的な脅迫をしてきたのが旧統一教会だった。
家庭内の人間関係を円滑にしたい、近所の人とうまくやっていきたい。そう思った母親は入信し、「神様の勉強」を一生懸命にやった。
当時、旧統一教会と「霊感商法」が取り沙汰され、社会問題化していくさなかだった。井田さんの母親も、教団が販売する壺や水晶などを買った。