カブスに移籍して活躍する今永昇太

今永の投球がお手本に

 昨年まで東とチームメートだった同じ左腕の今永はポスティング・システムでカブスに移籍し、先発ローテーションで稼働して、ここまで23試合登板で9勝3敗、防御率3.11をマーク。メジャーのオールスターにも選出されて登板した。今永も直球の平均球速が140キロ台と決して速くないが、手元でホップするような軌道で高めをうまく使い、スピリット、チェンジアップとのコンビネーションで打者を抑えている。

 メジャーリーガーの代理人は「東は今永の投球を見てお手本になる部分が多かったでしょう。メジャーで評価されるのは勝ち星より、イニング数と防御率です。東の成績はこの点で評価が高い。メジャー球団のあるスカウトは『東は日本人№1投手だよ』と絶賛していました」と証言する。

 米国からの評価が上昇しているのは、DeNAファンにとって複雑な心境かもしれない。

 昨オフ、左のエースとして活躍した今永がメジャーに移籍。昨シーズン途中で加入して先発で10勝をマークしたトレバー・バウアーもメジャー復帰を目指して退団した。大黒柱の2枚が抜けたことが、現在の投手力の低下を招いていることは否めない。東にはメジャーに行かず、1年でも長くDeNAのエースとして活躍してほしいと望んでいるファンは多いだろう。

 スポーツ紙の報道によると、東は昨オフの契約更改で球団とメジャー挑戦について話したかについて聞かれ、「ないです!」と否定したという。球界を代表する投手への階段を駆け上がっている左腕は28歳。これからの全盛期に、どのような活躍を見せてくれるだろうか。

(今川秀悟)

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