ただ、小林氏の地元、衆院千葉2区の支援者の中には旧統一教会の関係者が複数いて、地区幹部までいることが確認できています。それでも厳しい対応を取れるのか、という質問に対して小林氏は、プライバシーを理由に「一人一人の思想信条を聞くことには限界がある」として回答をにごしました。そこは非常に残念でした。

ーー選挙支援の「依頼」という表現も引っかかります

 旧統一教会の関係者らは、選挙時には依頼などしなくても応援に来るケースがあります。なかにはインターンとして若い信者が入り込んでいる場合もあります。あくまで教団側や個々の信者が勝手にやったことで自分では頼んでいない、と言い切れるから上手な表現ですよね。

 安倍晋三元首相の銃撃事件以降、メディアによって多くの自民党議員と旧統一教会との関係について報じられました。報道に対する弁明に「選挙支援の依頼はしなかった」と述べている自民党議員には要注意です。巧妙な言い方で関係性を誤魔化そうとする姿勢が見えるからです。

このように答えておけばいいという共通認識がある?

ーー表向きは『関係を断絶する』と表明していても、そこまでしない議員は多いのでしょうか

 選挙時などに、教団側が自民党組織に信者を送り込んで、何かしらの働きかけをするケースが多いからこそ、そこの防衛ラインをまずは整備する必要があります。なのに、小林氏のようにプライバシーなどを理由に具体的な回答を控えるのは、断絶ができないという現れではないでしょうか。自民党内でもこの件についての追及があった場合、このように答えておけばいいという共通認識があるのではないでしょうか。

ーー女性候補として人気がある高市早苗・経済安全保障担当相も旧統一教会との関係性についていくつか報じられてきました。鈴木さんの印象は?

 高市氏をめぐっては、01年3月に旧統一教会と関係が深いとされている出版社が発行する雑誌に対談記事が掲載されていました。一部のメディアから22年に指摘を受け、高市氏は当時、「旧統一協会と関わりがある雑誌とは知らなかった」と述べています。ほかにも、「しんぶん赤旗」が同年、19年3月にあった高市氏の政治資金パーティーで、旧統一教会の関連団体がパーティー券を計4万円分購入した疑いがあることを報道しました。高市氏は報道内容を否定しています。

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教団側が今後何らかの働きかけをする可能性がある議員は…