アイテムが多すぎてごちゃごちゃしているキッチン/ビフォー

 片づけが苦手な人は完璧主義であることが多く、こだわりが強いために1つの場所を徹底的に終わらせないと、次に進めません。だから「クローゼットだけ片づけたら疲れちゃった」「1日かけて片づけられたのは本棚だけ」という結果になり、“家を片づける”という大きな目標に届かなかった自分を責めることになるのです。

「私は“超”がつくほどのこだわり性だったので、自分のペースでやっていたら、きっとここまで片づけられなかったと思います。1つの空間をある程度まで片づけたら終わりにして、次に進むということが大切なんだと気づきました。家の片づけを最後までやりきることができ、自信にもつながっています」

 まさみさんは、片づけ以外でも完璧主義を手放したら、家事や仕事が効率的に進められるようになったと言います。

 片づけ終わった今、まさみさんは「この暮らしやすい家の環境は自分がつくったんだ」という満足感にあふれているそう。モノが格段に減ったので、空いたリビングのスペースに欲しかった電子ピアノを置きました。

「以前も持っていましたが、今の家に引っ越してきたときに置く場所がなくて知り合いにあげちゃったんです。でも私は音楽が好きで、弾きたくてずっとモヤモヤしていました。今では電子ピアノのあるスペースが私のお気に入りの空間です!」

 実は今、新しい家を建てるために設計の話し合いをしているというまさみさん。片づけの経験から、動線や収納に配慮して暮らしやすい家を目指しています。

使いやすさを考えて収納したらスッキリ見違えました/アフター

「隣に畑があるので、野菜を収穫してすぐ持って行けるようにキッチンの場所はここにあった方がいいな、とか。考えるだけでワクワクしています! “家は3回建てないと納得する家にならない”とか言われていますが、私は片づけを習ったおかげで、1回で納得する家を建てられそうです!」

 キラキラと輝く笑顔で未来を描いているまさみさん。片づけている最中は、こだわりの強い自分を一旦横に置いて、学んだことに素直に取り組んだ結果が今につながっていると話してくれました。

 片づけが習慣化できると、新しい家もきっと過ごしやすくなるはずです。まさみさんがさらにどんな素敵な家で過ごすようになるのか、どんな素敵な未来を描いていくのか、私も楽しみです。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。公式サイトはこちら

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