ヤクルトで共にプレーしたかつてのチームメートは坂本についてこう語る。

「普段は穏やかな性格ですけど、マウンドに上がると負けん気強いタイプですね。わざとぶつけているわけではないですし、そんなことをする人間ではありません。ただ、戦闘モードにスイッチが入ってしまって相手に弱みを見せたくないという部分があったかもしれません。でも、打者を怒らせるような態度を取ると自分が損しますしね。そこは改めた方がいかもしれません」

　誹謗中傷の書き込みに対し、選手が立ち上がったケースもある。DeNA・関根大気は 今月15日にXを更新。自身の誹謗中傷に対する情報開示命令申立が裁判所に認められたことを報告した。

8件の請求すべてが認められる

　 4月26日の巨人戦（横浜）で左足をかすって死球と判定されたことに、「当たってねーじゃん、関根死ねよ」「関根はゴミ。はっきりわかる」「関根と球審消えろ」など自身に送られてきた誹謗中傷のメッセージを公開した上で、

「先日裁判でX社に対して行った情報開示命令申立が認められました。結果としては8件中8件の請求が認められました。既に一件はもう連絡してきてもらっております」

　とつづり、仮処分決定が通達された裁判所の書面も公開した。内容を確認すると、主文で「債務者は、債権者に対し、別紙発信者情報目録記載の情報を仮に開示せよ」と記されている。関根は「今回公にしておりますが、アカウントの方たちへの誹謗中傷はなしでお願いしたいです。誹謗中傷はなくしていきましょう、という声掛けをして頂けたらと思います」と呼びかけている。

　精神的に追い込んだり、人格否定するような中傷や暴言は名誉棄損罪、侮辱罪に適用されるケースがある。言葉は心の支えになるし、傷つける鋭利な刃物にもなる。SNS上で書き込む際は、一度冷静になって見直す心のゆとりが欲しい。

（今川秀悟）