卓球の早田ひなは、満身創痍の中、女子シングルスで銅メダルを獲得した。左腕を痛めた状態で注射を打って試合に臨んでいた早田は試合後、床に座り込んで号泣。そして試合後インタビューでは、「もちろん金メダルを目指していたんですけど、まさか神様にこんなタイミングで、意地悪されるとは思わなくて」と自身の状態を振り返った。それでも獲得した銅メダルに「どんな結果になっても最後までやり続ける。そして銅メダルを皆さんに見せられたらいいなっていう気持ちで戦いました」と涙ながらに喜んだ。
 
 試合を重ねるごとに期待と注目度を高めた男子サッカーでは、守護神GK小久保玲央ブライアンが話題となった。1次リーグ3試合で好セーブを連発して無失点勝利に貢献し、SNS上で名付けられた“国防ブライアン”の呼び名が、テレビなどでも扱われて一気に広まった。しかし、今大会4試合目となった準々決勝で、スペインに3点を奪われて敗退。その直後、誰よりも悔しさを露わにした小久保は号泣。そして「最後までいたかった。こんな形で終わってしまってすごく悔しかった」とコメント。決して前評判の高くなかったチームが、一丸となっていた証であり、“いいチーム”だったことを裏付ける言葉となった。

“お茶目さ”全開だったのは、女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花だ。決勝での全6投のうちの第1投で、いきなり今季自己ベストの65m80をマーク。結果的にこの記録が優勝に繋がった。マラソン以外の陸上の日本女子選手としては、初の五輪金メダルという快挙に、北口本人も笑顔満載に喜んだ。そして、2投以降に記録を伸ばせなかったことについて「夢の中では70m投げれてたので、ちょっと悔しい」と振り返ると、さらにインタビューの中で「ひとつ心残りがあるとすれば名言が残せなかった」とポロリ。日本語、チェコ語、英語を操る北口だが、「疲れているのもあって、言語が混ざりすぎて言えなかったのが残念。でも世界中の人々が集まって競技できたことが幸せだった」と笑顔を見せた。

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他にも“印象”に残る名言も