首位争いを繰り広げる巨人で、状態が気がかりなのが不動の4番・岡本和真だ。今季はここまで打率.256、17本塁打、57打点。6月、7月と本塁打が3本ずつしか出ておらず、8月も8日までで、月間打率.154、1本塁打、2打点と調子が上がってこない。6年続けてきた連続30本塁打の達成が、今年は微妙な状況になっている。
「岡本の打棒が爆発しなければ、V奪回は望めない。打撃を見るとスランプではないと感じますが、好調の時期が短い。優勝を争う他球団の4番を見ると、阪神の佐藤輝明がこのところ絶好調。本来はチャンスメーカーの小園海斗(広島)も勝負強さが光る。巨人の4番として意地を見せてほしいですね」(スポーツ紙デスク)
球界を代表する長距離砲であることは間違いない。昨季は自己最多の41本塁打を記録して3度目の本塁打王に輝き、1軍に定着した2018年から6年連続30本塁打も達成。史上9人目の快挙だった。
岡本が打てば巨人打線は活気づき、沈黙すれば得点がなかなか入らない。これはデータに如実に表れていて、今季本塁打を打った16試合は13勝2敗1分と大きく勝ち越している。
セ・リーグ他球団のスコアラーは、岡本についてこう語る。
「変化球への対応力が高く、少しでも甘く入ったらスタンドに運ばれる。巨人の4番として毎年コンスタントに活躍し続けるのは凄いこと。優勝から遠ざかっていることも影響しているかもしれませんが、もっと評価されていい打者だと思います。あと内野の守備が巧いことも大きな強みです。三塁でゴールデン・グラブ賞を2度受賞していますが、一塁の守備も球界トップレベルでしょう。守備範囲が広いとは言えないが、ハンドリングが巧みで送球が安定している。今年は内外野守っていますしね。攻守で貢献度が高い選手です」
岡本は18、19年に一塁をメインに守り、20年以降は三塁が主戦場だった。今季は坂本勇人が遊撃から三塁へ本格的にコンバートが決まったため、一塁を守っていたが、チーム事情で状況が変わった。