黒髪のウィッグをつけた高校生のときのpecoさん

 高3のときにウィッグがバレて、染め直さなければいけなくなったことがありました。先生に目を付けられて、自分の好きな格好ができなくなることが本当に嫌で嫌で仕方なくなりました。また、周りが受験モードになって、私は進学する予定がなかったので、受験対策の授業でボーっと座っている時間が無駄に思えて、大好きなファッションについて研究していたほうがいいなんて考えながら、学校に行きたくないなと思いました。

 お母さんに「もう行きたくない」と伝えると、「行かなくてもいいけど、卒業できるように考えて学校に行けばどう?」と案を出してくれました。そういわれて、心が軽くなりました。

 国語や数学は授業がたくさんあるのである程度休んでも大丈夫、ただ、音楽や体育は授業が少ないので休みすぎたら単位が取れなくなる。そんなことを考えながら、休んだ回数を手帳に「正」の字で書きこんで、学校に休み休み通って、ぎりぎりで卒業しました。

 私が母親になってからお母さんに聞いた話ですが、「何になろうと、どんな子になってもいいけど、ただ、自分のことを好きになってくれればいいと思って育ててきた」と言ってくれました。それを聞いてありがたい気持ちになりました。校則が厳しい学校に通っていましたが、大好きなファッションを追求していましたし、そんな自分が好きでした。「お母さん、大成功だよ」と思いました。

 自分がやると決めたことには責任が出てきます。自分のことが信じられれば、困難があっても乗り越えることができると思います。自分の子どもにも、何があっても「大丈夫」と自分が信じられて、自分を認められる人になってほしいと思っています。ryuchellも同じ考えを持っていて、ずっとそれを願ってきました。

 息子はダンスとかのパフォーマンスやお絵かきが大好きで、そういったところを伸ばしてあげたいです。勉強のできる頭脳派ではなさそうです(笑)。「勉強したくない」というのであれば、それでもいいと思います。私から「勉強しなさい」と無理やり言うことはないですね。ただ、最低限の学力はつけられれば良いかなと思います。

 息子が大きくなって、自分の望みを持ったとき、それをしっかりと受け止めて、応援ができるお母さんでいたいと思います。

(構成/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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