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他球団の首脳陣は、DeNAについて高く評価している。
「戦力を見ればDeNAが最近5年間で一度も優勝していないのが不思議なぐらい。それぐらい能力の高い選手がそろっている。打線は牧秀悟、宮崎敏郎、佐野恵太、オースティンと強打者がそろい、筒香嘉智が復帰してさらに中軸に厚みが増した。山本祐大は球界を代表する捕手になれるし、若手も蝦名達夫、梶原昂希と身体能力の高い外野手が頭角を現している。投手陣も、今年は今永昇太(カブス)、バウアーが抜けましたが、エースの東克樹、大貫晋一、ケイ、ジャクソン、石田裕太郎とコマがそろっている。間違いなく強いですよ」
打率は高いが勝負所で勝てない
チーム打率はリーグトップ。強力な打線だが、好投手相手に連打はそうそう出ない。小技やベンチワークがカギを握るが、拙攻や走塁の手痛いミスで落とした試合が少なくない。
近年は本拠地・横浜スタジアムで強さを発揮していたが、今季は19勝28敗1分と苦戦していることも波に乗り切れない要因となっている。球団別の対戦成績を見ると、上位3球団に弱い。広島、巨人戦は共に5勝11敗、阪神戦は6勝9敗1分と負け越し。勝負所で勝てていない。
DeNAは日本一になった1998年以来、リーグ優勝からも遠ざかる。4年目の三浦大輔監督は、就任以来6位、2位、3位とAクラス2度の結果を出してきたが、26年ぶりのリーグ優勝を狙う今季も厳しい結果に終わるようなら、監督交代の可能性は高まる。
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評価が高い石井コーチの指導力
内部昇格で有力視されているのが、石井琢朗チーフ打撃コーチ兼走塁兼一塁ベースコーチだ。現役時代は球界を代表する遊撃手として活躍。通算2432安打を記録した。コーチとしての指導能力は申し分ない。広島、ヤクルト、巨人で打撃コーチを歴任し、広島では鈴木誠也(現カブス)、丸佳浩(現巨人)、ヤクルトでは村上宗隆の成長をサポートした。巨人では打撃不振だった中島宏之(現中日)に打撃フォーム改造を助言して復活させたことでも知られる。22年からDeNAのコーチとなり、Aクラス入りに貢献している。