大混戦が続くセ・リーグだが、その中でDeNAが優勝争いから脱落の危機を迎えている。
後半戦がスタートし、巨人、広島、阪神が激しいトップ争いを繰り広げるなか、DeNAはその上位3球団との9連戦で1勝8敗と大きく負け越した。前半戦終了時には貯金3で首位・巨人と2.5ゲーム差の3位だったが、今は借金4。首位・広島と7.5ゲーム差、3位・阪神と6ゲーム差の4位に沈み、上位チームと水をあけられた。(8月4日終了時)
スポーツ紙のデスクは、DeNAの戦いぶりをこう評する。
「勢いに乗った時は手がつけられないほど強いですが、戦いぶりが安定しないのは、野球に緻密さを欠くからです。攻守でミスが多くプレーの精度が低い。チームとしての成熟度が高まっているとは言えません。ベンチワークを見ても、選手個々の能力に依存している印象があります。広島、阪神に比べて試合運びが巧いと言えないので、主力が稼働しなくなると戦力ダウンに直結してしまう。脆さが目立つのはここ数年変わらないですね」
阪神に0-4で敗れ、自力優勝の可能性が消滅した4日の試合は、今季の戦いぶりを象徴していた。DeNAは3安打のみだったとはいえ、決して防戦一方ではなかった。結果論になるが、采配が裏目に出た場面が目立つ。1点ビハインドの2回にオースティンが四球、宮崎敏郎の左前打で無死一、二塁の好機を作った。打席には6番の度会隆輝。定石なら犠打だが、「打て」の指示で空振り三振。後続も倒れて無得点に終わった。4回も一死三塁の好機で度会が遊飛、林琢磨が三ゴロで無得点に。阪神の強力投手陣に対し、拙攻の繰り返しでは苦しい展開になる。5回以降は二塁すら踏めず、完封負けを喫した。