ソフトバンク監督時代の工藤公康氏

「指導能力に長けているだけでなく、戦術眼に優れて得点を取る引き出しが多い。内野手としても一流だったので、守備の精度について突き詰めていくでしょう。セ・リーグの球団を渡り歩き、DeNAの内部事情も把握している。今のチームは優等生タイプの選手が多い。石井コーチの負けず嫌いで熱い性格は必要な要素だと思います。次期監督に適任じゃないですかね」(現役時代から石井コーチを知る関係者)

初代監督の話があった工藤氏

 一方、外部招聘で、ファンから待望論が上がっているのが、野球評論家の工藤公康氏だ。ソフトバンクの監督時代に3度のリーグ優勝、5度の日本一に導いた名将として知られ、現役時代は西武、ダイエー(現ソフトバンク)、巨人の3球団で日本一に貢献して「優勝請負人」と称された。横浜(現DeNA)でも07年から3年プレーしている。

「当時の横浜は低迷期から抜け出せませんでしたが、工藤さんは自らの経験に基づいて、若手投手たちに惜しみなく助言をしていました。横浜での生活環境を気に入り、現役引退後も横浜に住んでいました。実はDeNAの初代監督の最有力候補が工藤さんだったんです。2011年のオフ、当時の高田繁GMから監督就任を打診されたのですが、コーチ人事やチームの編成権を巡り意見がまとまらなかった。就任は実現せず、中畑清・初代DeNA監督が誕生する流れになりました」(民放テレビ関係者)

 工藤氏は21年限りでソフトバンクを退任後、様々な球団の監督候補でメディアに挙げられた。手腕を高く評価されている証とも言える。仮の話になるが監督就任が実現するなら、DeNAをどのように再建するか――。

「ソフトバンク時代に千賀滉大(メッツ)、東浜巨、石川柊太を一本立ちさせたように投手の育成能力が非常に高い。DeNAは徳山壮磨、京山将弥、中川虎大を筆頭に将来が楽しみな若手が多いし、山崎康晃、濵口遥大、伊勢大夢も本来の輝きを取り戻せば、投手陣のレベルがグッと上がる。守り勝つ野球を強化すると共に、打線も得点をつながる形に組み替えていくでしょう。攻守でバランスの良いチームを作り、頂点を目指すことになるでしょう」(前出のスポーツ紙デスク)

 自力優勝の可能性が消えたDeNAだが、まだ復活する可能性はある。三浦監督がチームを再浮上させ、監督交代論など吹き飛ばせるか。きょう6日から中日ヤクルト、広島との9連戦がスタートする。

(今川秀悟)

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