ヤンキース時代の黒田博樹。33歳で海を渡り、メジャーで79勝をあげた

「1年投げ切ることを期待していない」

 それに比べると、佐々木はまだまだ発展途上だ。凄い球を投げる能力はあるが、肉体が追いついていない。それにも関わらず、メジャーのスカウトがこぞって登板を視察する。この理由は何だろうか。

 メジャーの代理人がこう明かす。

「佐々木が現段階でメジャーに挑戦しても、1年間先発で投げ切ることをどの球団も期待していません。各球団は中10日の感覚で先発ローテーションの谷間で投げてくれれば十分という認識でしょう。もっと先を見据え、数年後に先発の柱になってほしいという期待を込めて育成すると思います。25歳以下のポスティングシステムはマイナー契約なので、大金をつぎ込む必要がなく、資金的なリスクが低いことも大きなメリットです」

 メジャーを見渡すと投手不足が深刻な球団が多く、先発陣の6枚をそろえることに首脳陣が頭を悩ませている。

「下位に低迷しているチームの先発の5、6番手になるとかなり質が落ちる。佐々木は『メジャーで通用しない』という声をよく聞きますが、それはエースを張る投手と比較しての話です。現段階で1年目から2ケタ勝利となると厳しいが、6、7勝の期待値で獲得する価値なら十分にある。これから肉体強化をすればどんどん良くなり、スーパーエースになる可能性を秘めていますしね。獲得に興味がない球団はないでしょう」(米国で取材するスポーツ紙記者)

 メジャーから熱視線が送られるが、佐々木はロッテの一員だ。10ゲーム差をつけられた首位・ソフトバンクを逆転するために、残りのシーズンを稼働してほしいというのがファンの願いだろう。

(今川秀悟)

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