やはりモノが違った。ロッテ・佐々木朗希が1日の西武戦(ZOZOマリン)で約2か月ぶりの復帰登板を果たし、5回3安打1失点で6勝目をマーク。3奪三振にとどまったが、160キロの直球も見せた。
6月8日の広島戦での登板を最後に右上肢のコンディション不良で戦列を離れていた佐々木は、ファームでの調整登板を経ずにぶっつけ本番で西武戦に挑んだ。
復帰登板で手探り感は否めない。150キロ中盤の直球がはじき返され、フォークも抜ける球が目立った。初回2死二塁のピンチでは、4番・山村崇嘉にフォークを拾われて右前に運ばれたが、右翼の藤原恭大が本塁への好返球で二塁走者・蛭間拓哉の本塁生還を阻止。試合後のお立ち台で、佐々木は「あれは大阪桐蔭の藤原恭大でした」と独特の言い回しで感謝を口にした。
ただ、悪いなりに抑えるのはさすがだ。2回以降は立ち直り、5回は出力を上げて直球がこの日最速の160キロを計測。鈴木将平に159キロの直球を適時打されたが、失点はこの1点のみ。72球を投げ終えて降板した。チームは4-1の快勝。ロッテは西武に開幕から無傷の14連勝となり、開幕からの同一カード連勝のプロ野球新記録も樹立した。
「自分の役割を果たそうと思った」
佐々木は試合後、「2カ月くらい空いてしまったので、これからの試合で取り返せるようにと思って、まず1試合目、自分の役割を果たそうと思って投げました。野手に助けてもらいながらになりましたけど、どうにか勝った状態で次につなげられてよかったです」と、長い「不在」を反省するように語った。
ロッテOBは「今日の佐々木は本調子の30~40%。制球がばらついていたし、直球も速さを感じなかった。それでも150キロ中盤を計測して抑えきるのが凄い。彼の場合は試合で投げればある程度抑えられる。ただ、問題は稼働率です。登板後にコンディションに問題が起きれば、登板間隔を空けなければいけない。首脳陣としては中6日で回ってほしいという思いが強いでしょうけど、今の段階では何とも言えない。まだ復帰登板で1試合投げただけですからね」と今後のフル回転に慎重な見方を示す。