「滅茶苦茶いい経験をさせてもらっていると感じています。昨年は人生で一番多くの人と会ってお話しました。他分野の人たちからお話を聞くのは楽しいですし、こういう考え方もあるんだな、という発見も多かったです」
川端さんにとって好きなことを究めるとは、どういうことなのか。
「もちろん女子野球を広めなきゃっていう強い思いはありますが、使命感や義務感ではなく、そこに『好き』が付いているからこそ続けられているんだと思います。無我夢中で気づいたらチームまで作っていた、っていう感じです」
これまでは野球に専念できる環境を周囲に与えてもらっていた。これからは誰かが作った器に乗っかるのではなく、道を切り開く役割を担うつもりだ。川端さんは言う。
「『好き』をあきらめずにきて得たものは、人っていう宝ですね。同じ志を持つ人たちと出会えたのが何よりも大きな喜びです」
(編集部・渡辺豪)
※AERA 2023年4月10日号より抜粋