撤退巡り演説をするバイデン大統領=代表撮影/ロイター/アフロ

筆者が見た大統領選の「強さ」

 筆者がジャージーシティに滞在して5週間になるが、その間に様々なイベントや事件が起きた。

 6月27日にあったバイデンvs.トランプの公開討論でバイデン大統領の高齢不安が極度に高まり大統領選からの撤退を求める声が民主党内外で急速に強まった。

 7月4日の独立記念日には、コロナ禍の中では見られなかった盛大なお祭りが全国で繰り広げられ、ニューヨークでも大きな花火を見ることができた。独立記念日がこれほど大きな意味を持つのかということをあらためて再認識した日だった。

 7月9日からNATO首脳会議が開かれ、11日にはその関連会合でバイデン大統領が、ウクライナのゼレンスキー大統領をプーチン大統領と言い間違えたり、記者会見では、ハリス副大統領をトランプ副大統領と言い間違えたりして、さらに傷を深めた。

 さらに、7月13日にはトランプ前大統領暗殺未遂事件が起きた。

 そして、バイデン大統領が大統領選から撤退し、ハリス副大統領を民主党の大統領候補に推すことを表明。正式決定は8月19日からの民主党全国大会になるが、事実上ハリス氏の大統領候補指名獲得は決まったようだ。

 これら一連のイベントや事件を見て感じたのは、大統領になる資格として、「強さ」が非常に重要だということだ。

 バイデン大統領は、高齢であることが、「弱さ」を示すものとして致命的な欠点になってしまった。

 一方のトランプ氏も高齢ではあるが、暗殺未遂事件の際の対応(壇上で倒れた床から立ち上がって車に移動する前に、警護官を静止して拳を突き上げ、「ファイト!」と3回叫び、車に乗る前にも同様の行動をとった)により、「強さ」を印象づけた。

 ハリス氏が大統領候補としてトランプ氏と互角以上に戦えるのではという見方もでているが、実は、あらゆるニュースに共通するのは、女性差別の壁が、なお大きな障害になるのではないかという留保をつけている点だ。

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求められる大統領の「強さ」