混戦が続くセ・リーグ。首位巨人から4位・阪神までの差は3.5ゲーム。5位・中日は首位から8ゲーム差だが、ここで踏ん張ればまだチャンスはある。甲子園で7月26日から行われる阪神戦は、負けられない戦いとなる。
「上に4球団がいるので、借金が2ケタを越えるようだと、CS進出が厳しい状況になってきます。戦力を見ると他球団に大きく見劣りしているわけではない。投高打低が顕著なシーズンで、投手陣が強力な中日にとってはチャンスです。長年の課題である得点力不足をどう解消するか。ポイントはそこに尽きると思います」(スポーツ紙デスク)
立浪和義監督が就任した22年から、中日は球団史上初の2年連続最下位に沈んだ。今季は4月が好調で、引き分けを挟んだ6連勝もして、単独首位に立った時期もある。だが、その後は下降線に。前半戦最後の10試合は3勝7敗と失速した。
オーナーは「1本がなかなか出ないね」
立浪監督は24日、大島宇一郎・代表取締役オーナーに前半戦の報告をした後、会見で報告内容についてこう語った。
「前半はいいスタートが切れた。春先は先発投手が頑張って少ない点数を守りきった野球ができたが、徐々に先発投手も崩れ出し、なかなか点がとれないところで先発の足を引っ張ってしまった状況が続いた。(オーナーからも)1本がなかなか出ないねというような話もありました」
立浪監督とオーナーも認めるように、問題は打線だ。211得点はリーグワースト。得点が取れなければ、投手陣に負担が掛かる。得点圏打率.217もリーグワースト。好機は作っているので1本が出れば得点力が変わってくる――。
それは間違いないのだが、他球団のスコアラーの見方は少し違う。
「中日は力のある打者がそろっていますよ。中田翔、細川成也、石川昂弥は長打力がありますし、カリステ、高橋周平、福永裕基はチャンスに強い。得点が取れない問題は戦術、戦略面もあると思います。制球が安定していない投手にヒットエンドランを仕掛けて失敗したり、好調の選手をスタメンから外したりするのでもったいないなと感じます。我々には分からないチーム事情があるのかもしれませんが……」