巨人から移籍した中田翔

 この分析は一理あるかもしれない。2位の広島はリーグワーストのチーム打率.229で、得点圏打率.220も中日とあまり変わらない。だが、中日より6試合消化数が少ないにもかかわらず234得点。末包昇大が故障で離脱するなど長距離砲不在の中で、小園海斗を4番に据えて切れ目のない打線を作る意図が見える。

 30代のあるセ・リーグの投手は「広島と対戦すると神経をすり減らします。秋山翔吾さん、野間峻祥さん、菊池涼介さんを筆頭に追い込まれても粘る打者が多い。走れる選手が多く、スキを突いて盗塁やヒットエンドランを仕掛けてくるので気が抜けません」と語る。

「立浪効果」で観客動員増

 一方、チームの成績とは別に、立浪監督は「人気」がある。本拠地バンテリンドームの観客動員は好調で、前半戦は47試合開催し、1試合平均3万2134人の観客を動員。この数字は4年ぶりに200万人の観客動員を突破した昨年の平均観客数3万333人を上回る。

 バンテリンドームの試合は中日ファンの熱気であふれている。名古屋の財界関係者は「立浪監督の功績は大きいと思います。地元のスポンサー企業からの人気は高く、チケットを大量購入した経営者は『立浪さんが監督をしている限り応援し続ける』と明言していました。現役時代から『ミスタードラゴンズ』でチームの顔でしたし、監督になっても支持する人は多い。勝っても無愛想な落合博満元監督に比べて評判は良いですよ」と語る。

 ただ、民放テレビ関係者は観客動員増について、「立浪効果」に疑問を呈する。

「球場に足を運ぶお客さんが増えた理由はコロナが明け、WBC特需の恩恵を受けた影響が大きい。実際に中日だけでなく、他球団も観客動員数が増えていますからね。あとは、高橋宏斗、岡林勇希、石川ら東海圏出身の若手が台頭していることも明るい材料です。ファンは地元出身の選手たちが中心になってチームを強くするストーリーを期待しています。ただ、この状況を楽観視しない方がいい。チームが弱いままだったらファンは離れます。実際に立浪監督のユニホームを着たファンが減っているように感じます。ファンが見たいのは強い中日ですから、今年もBクラスに終わるようだと、立浪監督の立場は厳しくなるでしょう」

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