「裏金事件は決着していない」
元秘書Aさんが言う。
「堀井氏のかつらは完全オーダーメードで、3、4カ月かかって堀井氏の手元に届きました。最初、プロの人に試着してもらうと、とてもフィットしていい感じで喜んでいました。今では2つか3つのかつらを持っているはずです。値段は50万円とか60万円、いやもっと高かったかもしれないです」
裏金でかつらの購入をしていた疑惑について、堀井氏の事務所に質問をしたが、期日までに回答はなかった。
堀井氏と同様に、有権者に香典などを提供していたとして立件されたのは、菅原一秀元経済産業相の例がある。菅原氏は2018年から19年にかけて選挙区内で香典や祝儀など総額約80万円を違法に寄付していたとして公職選挙法違反の疑いがもたれ、議員辞職した。その後、同法違反の罪で略式起訴され、東京簡裁が罰金40万円、公民権停止3年の略式命令を出した。
堀井氏についても、特捜部は略式起訴を検討していると報じられている。
安倍派の裏金事件のきっかけとなる告発をした神戸学院大学の上脇博之教授はこう話す。
「堀井氏が選挙区内の政治活動に裏金を使っていたとニュースになっています。政治活動なら、なぜ表のカネを使わないのか。何かやましいことに使うから、裏金が必要だったのでしょう。かつらまでも裏金となれば、個人的なものであきれるばかりです。裏金事件後、私は、堀井氏の裏金について刑事告発をしました。安倍派からのキックバックを過少申告した政治資金収支報告書を提出していた政治資金規正法違反(虚偽記載)などです。裏金事件は決着したという世論の流れがありますが、堀井氏をみてもまったくそうではありません」
(AERA dot.編集部・今西憲之)