長野冬季五輪に出場した際の堀井氏

 昨年発覚した安倍派裏金事件で、堀井氏は2018年から4年間で総額2196万円の裏金をつくっていた。このため堀井氏は政治資金収支報告書を訂正している。

 堀井氏が代表を務める自民党北海道第9選挙区支部の2022年分の政治資金収支報告書を見ると、支出欄に「横領」として、日付不明で1490万円あまりの金額が支出されたと書かれ、逮捕された元秘書の実名が記されている。これだけでも、政治資金のずさんな扱いぶりがよくわかる。

 堀井氏は、裏金事件にからみ、特捜部の事情聴取を複数回受けたとみられる。秘書、元秘書、会計責任者は10回を超すほどに及んだという。

「堀井氏の名前の香典持参は当たり前だった」

 堀井氏の元秘書、Aさんに話を聞くことができた。

「昨年末は12月28日の仕事納め直前まで都内のホテルに呼ばれました。年明けは4日からですよ。いや、本当に厳しくやられました。年明けの事情聴取では、すでに裏金の金額がほぼ確定して、安倍派からの還流の経緯もわかっていた。特捜部には携帯電話を押収され、ばっちり解析されていました。LINEで堀井氏とどういうやりとりをしていたのか、問題部分をピックアップして説明を求められました。それが、特捜部が立件しようとしている香典の扱いについての公職選挙法違反でした」

 とAさんは振り返る。

 公職選挙法では、議員本人が葬儀に参列する際には、香典の持参が許されている。だが、堀井氏は自身では参列せず、秘書を代理に行かせて香典を渡していたとして公職選挙法違反に問われている。

 Aさんによると、特捜部は22年3月の葬儀などについて特定していたという。

「裏金の事情聴取の中で、LINEなどのメッセージを見られて、すっかり裏金が香典に使われていることがバレている感じでした。堀井氏はLINEで『今日は東京だから』というメッセージとともに秘書に香典の金額を『1でいい』『この人は3万円だ』などと具体的な指示をしていました。秘書が代わりに堀井氏の名前が入った香典袋を持参するのが、当選1期のときから当たり前になっていたそうです。みんな罪の意識はなかった」

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特捜部は「かつら」についても聴いてきた