堀井学衆院議員
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 自民党の堀井学衆院議員(比例北海道)の議員会館や北海道の事務所などが7月18日、東京地検特捜部に家宅捜索された。選挙区内の有権者に秘書らを通じて香典を配った公職選挙法違反の疑いだ。堀井氏は政治資金パーティー収入を裏金化していた安倍派議員の一人で、特捜部の捜査で香典代も裏金から捻出した疑いが出てきているという。

【写真】堀井学議員はかつてオリンピックの表彰台に立っていた

 堀井氏を一躍有名にしたのはオリンピックでの活躍だ。スピードスケート選手として1994年、リレハンメルオリンピックに出場、500mで銅メダルを獲得した。96年には1000mの世界記録も樹立。98年の長野、2002年のソルトレークのオリンピックにも出場した。

 競技生活引退後の2007年、やはりオリンピックで銅メダルを獲得した元スピードスケート選手で参院議員の橋本聖子・自民党北海道連会長(当時)から口説かれて政界に進出。北海道議選に出馬して、当選した。2012年には衆院北海道9区から、鳩山由紀夫元首相の対抗馬として出馬。鳩山氏は直前に立候補をとりやめ、堀井氏が後継候補に圧勝した。そこから当選4回。外務大臣政務官、内閣府副大臣などを歴任している。

銅メダリストで連続当選も「カネの問題で人気凋落」

「銅メダリストで、連続当選と地元では人気抜群だった。だが、年を重ねるごとに人気凋落だったね。政治とカネの問題ですよ。堀井氏はカネにがめついのです」

 と打ち明けるのは堀井氏の後援会幹部だ。

 2023年3月、堀井氏が支部長を務める自民党支部の事務所から120万円を横領したとして、堀井氏の元秘書が業務上横領容疑で逮捕され、その後、懲役3年執行猶予5年の有罪判決を受けた。

「それ以外にも東京の議員会館の秘書が、『事務所経費だと騙されて地元の秘書に600万円近く横領された』と嘆いていたことがあった。カネの管理ができず、支援者にも『ちょっと寄付を』『今月、足りないのです』などと堀井氏や妻が頭を下げていたこともあった」(前出の後援会幹部)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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