「米国人も日本の実力は認めているが自国が劣っていることを認めたくない。今までの国際大会では“本気”のメンバーを揃えていないというエクスキューズ(言い訳)もあったが、ロサンゼルス五輪でメジャーリーガーが制限なく出場することとなれば文句を言わせないことができる」(在米スポーツライター)
ロサンゼルス五輪は夏に行われるということもあり、シーズンの真っただ中。各チームのエース級の投手もコンディションが仕上がっている状態だ。過去にはWBCの開催時期に関しての発言だが、サイ・ヤング賞3度の名投手マックス・シャーザー(レンジャーズ)はシーズン中であれば「リアルな試合が見られるようになる」と投手も最高のコンディションで出場できると現地メディアに語っている。
また、メジャーリーガーの参加については、オールスターのイベントという公式の場で、大谷が発言をしたことの意味も大きいという。
「大谷は今やメジャーリーグの顔となった。ロサンゼルス五輪に出るとなれば他のメジャーの選手も黙っていないはず。(大谷に)主役の座を奪われたスターたちにとって、自身の存在感を示せる絶好の機会にもなるはずだ」(在京テレビ局スポーツ担当)
米国も「国際大会ではベストメンバーで戦うべき」と常々主張してきたブライス・ハーパー(フィリーズ)を中心にロサンゼルス五輪の出場に対し、乗り気な選手も多い。ハーパーは現地メディアにリーグとの試合の兼ね合いで「日程的には難しい」としながらも、「国を代表するベストメンバーが揃えば面白い」と大谷同様に五輪での“本気の戦い”を熱望している。
MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは今月、メジャーリーガーの参加を「各球団のオーナーなど関係者とこれから協議する」と語っており、状況によっては米国に初めて“野球のドリームチーム”が誕生する可能性もある。
「メジャーリーグではFAなどでの高額契約がつきものだが、生え抜きの球団で長年プレーするフランチャイズ選手を除いては所属球団への思いはそこまで強くないため、五輪でチームを離れることに抵抗はないはず。もちろん選手によって考え方も異なるが、ナショナリズム(愛国心)の強い選手は米国代表としてロサンゼルス五輪へ出場したいはず」(スポーツマネージメント会社関係者)
最終的には各球団を含めたMLBの判断次第となるが、米国にとっては自国開催のロサンゼルス五輪で世界一になることでのメリットが多いのも間違いない。