第5回WBCで活躍した大谷翔平もロサンゼルス五輪出場に意欲
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 2028年に開催されるロサンゼルス五輪の野球競技出場へ向け、現役メジャーリーガーから前向きな姿勢が見え始めている。4年後にはこれまで1度もベストメンバーが揃ったとは言い難い野球の母国、米国も“本気モード”となり「真の野球世界一決定戦」が行われる可能性が出てきた。

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「(ロサンゼルス五輪に)出たい気持ちはもちろんある。特に五輪は普段野球を見ない人たちも見る機会が当然増えてくる。野球界にとっても大事なことと思う」(ドジャース大谷翔平

 7月15日(日本時間16日)、MLBオールスターゲームの前日イベントで、大谷はロサンゼルス五輪出場への意欲を語った。日本が世界に誇るスター選手の発言だけにインパクト大だった。

「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や五輪における日本の世界一は『*(=注釈)付き』と主張する人もいまだに多い。(WBCでは特に投手が)米国を中心にベストメンバーが揃ったとは言えない。ロサンゼルス五輪ではメジャーリーガーが参戦して各国の最強メンバーが招集されれば、日本が正真正銘の実力を世界に見せつけるチャンスにもなる」(NPB関係者)

 野球の国際試合ではここまで侍ジャパン(日本代表)は素晴らしい成績を残してきた。2006年に始まったWBCはこれまで5度開催されているがそのうち3度優勝し、五輪でも公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪と前回の東京五輪で2度金メダルを獲得している。メジャーリーグにも数々の名選手を送り出し、「野球強国」として世界的に知られる存在だ。

 しかし、WBCはシーズン前に行われることで有力な投手はメジャーリーグのシーズンに向けて出場を辞退する選手がほとんど。前回大会の米国代表のメンバーを見ても、野手はマイク・トラウト(エンゼルス)、ムーキー・ベッツ(ドジャース)、ノーラン・アレナド(カージナルス)など実績のあるスター選手も少なくないが、投手はベストメンバーとは決して呼べない顔触れだった。そういったこともあり、日本が大会を幾度となく制しても“真の世界一”とは認めないという風潮が米国にはある。

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スター選手のハーパー筆頭に選手は出場に前向きか