夏休みのプール解放をやめる自治体も
日本スポーツ振興センターが2017年度にスポーツ庁から委託され、実施した調査よると、それまでの5年間に全国の小中学校で起きたプールでの熱中症は179件。そのうち51%は授業や部活動などの「水泳中」(水泳直後を含む)に発生し、33%はプールサイドで起きている。
23年7月には千葉市の小学校で、水泳の授業後に児童らが頭痛や腹痛を訴え、6人が救急搬送された。搬送先でそれぞれ熱中症と診断される事故も起こっている。
各自治体ではどんな対策を取っているのか。
毎年、猛烈な暑さを記録する群馬県前橋市では、昨夏に39度という最高気温を記録した。これを受け、市内の小中学校は昨夏の途中から夏休みのプール解放をやめているという。市教育委員会の担当者は、
「そもそも、プールに入る以前の登下校の段階から熱中症のリスクがあると判断して、夏休みのプール解放はやめています。プールは生徒の想像以上に体力を使っているので、授業中はもちろんですが、登下校の段階から気を配っています。体調が悪そうな子がいるときは教師の判断で無理をさせず、特に水泳の授業の日には、授業中のみならず、下校の前にも持参した水筒に水が入っているかどうかを各学校の担任教師が徹底的に確認しています」
と話した。昨夏、プール解放をやめ、熱中症対策を徹底して以降、熱中症で倒れる生徒の数が一昨年と比べて1/3に減った。