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 日本各地で記録的な猛暑が続いているが、梅雨明けすると、いよいよ本格的な夏となり、暑さが増しそうだ。そこで気を付けなければならないのは、言わずもがなの熱中症。屋内外はもちろん、水の中で泳いでいても熱中症になる危険性がある。実はほんの少し前、筆者(24)はプールにいながら熱中症で救急搬送されたのだ。水中にいて熱中症という、なんとも信じがたい話だが、自身の体験とともに専門家に解説してもらった。

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熱中症は突然やってくる

 青春時代を部活動の水球にささげてきた筆者は、体力には自信があった。特に、大学時代は炎天下のなか、プールで真っ黒に日焼けしながら毎日練習に励んでおり、熱中症は「自分とは無縁」くらいに思っていた。現在、社会人になったとはいえ、まだ24歳と若く、ましてや水の中で熱中症なんて、くらいの認識だった。しかし、“その瞬間”は突然やってきた。

 都内の大学の屋外プールで、正午くらいから練習を始めて約1時間後。飲んでいた500ミリリットルのスポーツ飲料が無くなりかけたころだった。その日は、最高気温33度で天気は曇り。蒸し暑さはあるものの、直射日光で照り付けられることがない分、油断していた。

 休憩をしようとプールから上がると、フラっとして体に力が入らなくなった。視界がチカチカして貧血のように血の気が引き、暑いはずなのに少し寒気がした。手にはピリピリする感覚があった。「体が重いな」と思ったその瞬間、全身の力が抜け、気が付くと地面に座っていた。

 ここからの記憶は正直ほぼないのだが、チームメイトによると、プールから上がったときの筆者は、意識はあるものの、ぼんやりとした雰囲気で、目の焦点が合っていないような感じだったという。その後、チームメイトが119番通報して救急搬送され、救急車内と病院で点滴を受けた。点滴を始めてから約1時間は眠気に襲われて寝ていたが、目が覚めると病院のベッドの上で、ようやく体の力が戻ってくるのを感じたことは覚えている。

 過去の部活動のことを思い起こすと、筆者は大学時代に熱中症のような症状を経験したことがあった。当時は照り付ける太陽にやられ、めまいが頻繁に起こるような感じで、熱中症かどうかはわからなかった。ただ、その経験から、暑い日は多めに水分を取り、塩分と水分を交互にとるようにしていたのだが……。

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