新ユニホームのお披露目で新庄監督(右)とともに会見する上沢=2022年1月

日ハムの対抗馬はソフトバンク、ヤクルトか

ソフトバンクヤクルトが獲得を検討するかもしれません。ソフトバンクではやはり日本ハム出身でメジャーから日本球界に復帰した有原航平が活躍していますし、日本ハムで同期入団の近藤健介もいる。チームに溶け込むのに時間はかからないでしょう。ヤクルトは先発陣の駒不足が解消されていない。長いイニングを投げられ、勝つ術を知っている上沢は若手の良きお手本になる。未知数の助っ人外国人を獲得するより計算できます」

 パ・リーグの首位を走るソフトバンクで、先発の大黒柱になっているのが有原だ。歩んできた野球人生と投球スタイルは、上沢と重なる。日本ハムでは19年に最多勝を獲得するなど2ケタ勝利を3度マークしたが、20年オフにポスティングシステムで移籍したレンジャーズでは試練を味わった。右肩痛で手術を受けるなど本来のパフォーマンスを発揮できず、在籍2年間で通算15試合登板し、3勝7敗、防御率7.57。不完全燃焼に終わったが、昨年ソフトバンクに入団して復活する。開幕は2軍スタートだったが、1軍昇格した6月上旬以降に安定した投球を続け、10勝5敗、防御率2.31をマーク。今季は現在、リーグトップの9勝をあげ、防御率2.04で投手タイトルを狙える位置につけている。カットボール、チェンジアップ、フォーク、カーブと多彩な変化球で凡打の山を積み重ねる投球は芸術の域だ。

 ヤクルトにとって上沢はのどから手が出るほど欲しい右腕だろう。最下位に低迷している今季は先発陣の不調が大きな要因に。エース格の小川泰弘が2勝4敗、防御率5.04、昨年のWBCに侍ジャパンのメンバーで出場した高橋奎二が2勝5敗、防御率3.47とピリッとしない。計算できる先発投手は来日1年目のヤフーレ、プロ2年目の吉村貢司郎ぐらいで台所事情が苦しい。

 上沢があくまでメジャーの舞台での活躍を目指し、来季も挑戦を続けることも十分に考えられる。一度きりの野球人生。どのような道を進むにせよ、納得できる選択をしてほしい。

(今川秀悟)

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