それも理解できます。私もそうですが、みんな自分の日常でいっぱいいっぱいだし、(イスラエルを支援している)企業へのボイコットが難しいこともわかる。でも、もっと視野を広げると、生活が苦しいことの一因は政治の問題でもあると思うんです。今の政府がどんなことにお金を使っているのか? 軍事費を増やして、イスラエルからドローンを輸入しようとしているとしたら、「そんなお金があるんだったら、私たちの生活のためにやれることがいっぱいあるんじゃない?」と。そうしたことが実は全部つながっている。ガザのこと、今回のオークションのようなアクションも、他人の事柄に口を出しているわけではなくて、私たちの問題でもあるということを伝えられるといいなと思っています。

*オークション企画「Watermelon Seeds Fundraiser」の詳細はこちら
https://auctions.yahoo.co.jp/topic/promo/watermelonseedsfundraiser/

(取材・文/森 朋之)

さかもと・みう/1980年生まれ。97年「Ryuichi Sakamoto featuring.Sister M」名義でデビュー。著書『ネコの吸い方』(幻冬舎)やSNSで愛サバ美との日々を発信するなど「ネコの人」としても知られ、動物愛護活動にも長年携わっている。2015年に第1子が誕生し、22年には長女「なまこ」ちゃんとの暮らしをつづったエッセー『ただ、一緒に生きている』(光文社)を出版。音楽活動に加え、ラジオパーソナリティー、執筆、演劇など表現の幅を広げている。

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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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