イチローへの尊敬や憧れ
「イエリッチはマーリンズで共にプレーしたイチローに尊敬の念を持っています。謙虚な振る舞いと礼儀を重んじる日本にルーツを持つことを誇りに感じ、世界一の選手と認めている大谷との共闘を望んでいます。俊足巧打に定評があるクワンも少年時代からイチローに憧れ、打席に立つ前にしゃがみ込むルーティンはイチローを真似ています。彼らにとって日本は思い入れの強い国なのです」(メジャーを取材するスポーツ紙記者)
次回大会は2年後。クワンは28歳の年齢で脂が乗り切った時期を迎える。イエリッチは菊池雄星(ブルージェイズ)や山川穂高(ソフトバンク)、筒香嘉智(DeNA)らと同世代で35歳のシーズンになるが、大きく衰えるとは考えづらい。2人はいずれも外野手で、仮に両選手の侍ジャパン入りが実現したら、外野陣はかなり激しいメンバー争いが生じることになる。
「クワン、イエリッチは脚力とミート能力を兼ね備えた左打者。ヌートバーはプレースタイルが重なりますが、現時点での実績で見劣りする。吉田正尚も安泰とは言えません。メジャーで結果が出せないようだと、侍ジャパンに選びづらくなる」(スポーツ紙デスク)
外野手の候補には、鈴木誠也(カブス)、近藤健介(ソフトバンク)がいる。細川成也(中日)、万波中正、水谷瞬(いずれも日本ハム)、末包昇大(広島)、森下翔太(阪神)らも大きな可能性を秘めている。とはいえ、クワン、イエリッチは国際大会で対戦する投手たちとメジャーのシーズン中に対戦経験があることで大きなアドバンテージがある。
日の丸をつけてプレーしたい――。侍ジャパンにふさわしい実力とメンタリティーを持つ彼らの夢は叶うのか。そして、そのとき侍ジャパンのメンバーはどうなるのか。今から楽しみが広がってくる。
(今川秀悟)