昨年のWBCで一躍人気者になったヌートバー
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 世界一に輝いた昨年3月のWBCで侍ジャパンの人気者となったのが、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)だった。

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 リードオフマンとして打線を牽引し、本大会7試合出場で打率.269、出塁率.424、4打点をマーク。中堅の守備でも好守で再三チームを救った。ヌートバーは父親が米国人、母親が日本人の日系2世。米国で生まれ育ったため日本語は片言でのやり取りになるが、明るい性格とひたむきな姿勢ですぐにチームに溶け込んだ。大会前は侍ジャパンで史上初の日系人選手が選出されたことに疑問の声も上がったが、メジャーでレギュラー格として活躍している若手成長株の実力を発揮し、批判を吹き飛ばした。

 実はヌートバーのほかに、メジャーを代表する2人の安打製造機が侍ジャパンに選出される可能性があった。スティーブン・クワン(ガーディアンズ)とクリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)だ。

 7月15日現在、クワンはア・リーグトップの打率.352と打撃好調で、イエリッチも大谷翔平ドジャース)を上回るナ・リーグトップの打率.326をマークしている。この2人はいずれも日系3世だ。

 侍ジャパンを取材するスポーツ紙記者が、こう話す。

「昨年のWBCの開催前、クワンとイエリッチの2人は侍ジャパンでプレーすることを熱望していましたが叶わなかった。当時の栗山英樹監督は出場の可能性を探り、実際にクワンは侍ジャパンの予備登録メンバーに入っていましたが、大リーグ機構(MLB)が出場資格を満たしていないと判断して選出されませんでした。もし、26年に開催される次回のWBCで出場条件が緩和された場合、選ばれる可能性が十分にある。イエリッチ、クワン、大谷が並ぶ打線が実現したら、侍ジャパン史上最強の布陣になるでしょう」

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WBCの出場資格が緩和される可能性はあるのか?