『マンガで解決 親の認知症とお金が不安です』(上大岡トメ/主婦の友社)から

――ご両親が2人とも認知症になってしまったんですね。ご両親は2人暮らしでしたよね。

トメ はい。しかも私は山口県、姉は関西在住なので、頻繁に様子を見ることができません。母は要介護2になったので、大急ぎで介護態勢を整えたんです。

 家に介護ベッドを入れ、手すりをレンタルし、1日2回×週5日、ヘルパーさんに来てもらいました。訪問医療も入れて、週1回訪問看護師さんもお願いしました。そのほか、毎日の夕飯は配食サービスを利用してお弁当を届けてもらいました。土日は私か姉が交代で帰省する、という感じです。

『マンガで解決 親の認知症とお金が不安です』(上大岡トメ/主婦の友社)から

――そんな介護態勢を整えるだけでも大変そうです。

トメ そうなんです。私が「主たる介護者」になったので、毎日のようにケアマネジャーさんと電話で打ち合わせ。書かなくちゃいけない書類も大量ですし、何かあると問い合わせは全部私のところに来る、という状態でした。

認知症2人の生活は「いつ何があっても不思議はない」。最終的な結論は

 しかも母は、骨盤内臓器脱という病気になってしまい、そのせいで排泄コントロールもできなくなって、ほぼ寝たきり。父もパーキンソン病の影響で意識を失うこともあったんです。

 私も姉も仕事があるので、帰省できるのは週末だけ。平日の夜は2人だけです。具合が悪くなっても、認知症の両親は救急車を呼ぶことも、誰かに電話して助けを呼ぶこともできません。姉と「朝ヘルパーさんが来たときに、どちらかが冷たくなっているかもしれない。その覚悟はしておこう」と話していました。

 施設の入居も、もちろん考えていました。ただ母は医療を必要とする状態だったので、治ってからでないと入居できなかったんです。それで臓器脱の手術をして、落ち着いてから施設の入居を進めました。正直、母の手術が決まって入院したときには安心しました。

――その後、ご両親は2人で施設に入居されたのですね。

トメ はい。父の認知症がわかってから1年6カ月後です。それまでは本当に怒濤の日々でした。入居して半年後に父は肺炎で亡くなり、現在は母が1人で施設に暮らしています。

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