神田愛花さん(写真は本人提供)

 夫(お笑いコンビ・バナナマンの日村勇紀さん)は優しいので文句は言わないし、お願いすれば家事も手伝ってくれます。でも、私の“妻像”は、専業主婦で完ぺきに家事をこなしていた母の姿を踏襲(とうしゅう)していることもあって、逆に罪悪感が出てきてしまって。

 自分が、家の中で役割を果たすことで満足感を得るタイプだと気づいたのは、少しショックでした。ずっと仕事が好きな人間で、NHK時代は転勤を嫌がる環境をつくりたくなくて結婚に興味がなかったくらいなので、思っていた自分と実際の自分の違いにびっくりしました。

家事は自分がメインで担いたい

――仕事と家庭の板挟みになるジレンマは、どう解消したのですか?

 去年の秋、夫に言ったんです。「家のことがきちんとできていないことで、責任感が満たされずイライラしちゃってます。どうしたらいいでしょうか?」って。そしたら、「それは自分で考えなさい。僕はどちらでも大丈夫だから、愛花がハッピーなほうで」と言われました。

 もちろん、家庭での役割は男女平等であるべきですが、物理的に家事をきっちり半分ずつやることが平等だと考える人がいる一方で、私は自分がメインで担うほうがバランスが取れて気持ちがいい。“日村愛花”としての人生も大切にするために、少し仕事のペースを落とすことにしました。

 それまでは、平日昼は「ぽかぽか」の生放送、その後も1個か2個は仕事があって、休みは月に1日とれればいいほうでした。今は、「ぽかぽか」以外の仕事は週に3、4日くらいにして、受けられなかったお仕事は別の週にお願いできないか、(マネージャーに)相談してもらっています。

 結果的に、うまくいってますね。おうちのことをちゃんとやることで心に余裕ができて、お仕事もより前向きに取り組めるようになりました。自分の心の健康を実感できていますし、それは表情にも出るみたいで、テレビで私の姿を見ている母からは「最近自然に楽しめているわね」ってメールが来ました。

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ほかのNHKアナも実は“変”?