安倍元首相の法要に参加した丸川珠代氏(右)と松川るい氏=西大寺

「参院のドン」の威光はいつまで

 法要に参加したメンバーには、裏金を受け取っていた橋本聖子元五輪相、丸川珠代元五輪相、山谷えり子元国家公安委員長、岡田直樹元万博相といった閣僚経験者や、自民党女性局のフランス研修で大炎上した松川るい副幹事長、安倍元首相の銃撃事件後に旧統一教会との関係が問題になった井上義行参院議員や北村経夫参院議員らの姿もあった。

 献花に参加した自民党の支援者に話を聞くと、
「裏金に旧統一教会など、スキャンダルな議員ばかりがきて、これでは安倍元首相も天国でゆっくり休めない。自民党支持者として情けない。そもそも世耕氏はなぜあんな、俺様のような態度で慰霊に来ているのか」
 という批判の声があった。

 世耕氏は裏金問題の安倍派の中核にいたとして、処分を受けた。自身も1542万円がキックバックされ、政治資金収支報告書に不記載となっていた。

 ほかにも、昨年11月、世耕氏の元秘書の県議が自民党和歌山県連の会合で「過激ダンスショー」を企画したことが問題になった。また、今年6月には処分を受けている身ながら、世耕氏が都内のホテルで政治資金パーティーを開催したことも批判を浴びた。

「世耕氏が『参院のドン』に君臨していたこともあって、今はまだそのご威光で、『世耕先生』という感じで付き従う議員はいる。だが、無所属のまま1年もたてば、威光は消えてしまうだろう」(前出の国会議員)

 かつて、「政治家になった以上は国のかじ取りをやってみたい」と首相への意欲を語っていた世耕氏。待ち受ける茨の道をどう進むのであろうか。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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