二階氏は「幕開けが早すぎた」
9月の総裁選までまだ2カ月以上ある中で、この盛り上がり。
「都知事選が終われば、政局は総裁選一色になるんじゃないかと思うほど、党内は盛り上がっている。100人いた安倍派が消えたので、先走ってでも動いて、名前をアピールしたいという意識が感じられる」(前出の自民党中堅議員)
そこに水を差したのが、キングメーカーこと二階俊博元幹事長だ。
6月30日、和歌山市で開催された自民党和歌山県連の会合に出席。ゴールデンウィークごろには「健康不安説」が流れたが、この日は壇上で挨拶するなど回復した姿を見せた。
会合後、事前には「取材なし」とされていたが、報道陣から総裁選について問われると、ご機嫌な様子で口を開き、
「まだ総裁選挙まで日がだいぶある。ちょっと総裁選挙幕開け、スタートが早すぎたね」
と苦言を呈した。
二階氏は自民党の裏金事件を受けて政界引退を表明しているが、二階派の国会議員はこう話す。
「ついこないだまで二階派40人が結束していたんですよ。解散しても、当然、がっちりとつながっている。菅氏と一緒で、二階氏も非主流派から脱却し、再びキングメーカーとして政界に睨みを利かせたいと思っている。ただ今は早いぞと周辺を諫(いさ)める意味も込めて、あのような発言になった」
そして岸田首相。総裁選について問われると、
「先送りできない課題に取り組んでいくことに尽きる」
などとあいまいな表現を繰り返している。内閣支持率が低迷し、そう遠くはない解散総選挙を控えて、党内では「選挙の顔にならない」と「岸田おろし」の声が高まるばかりだ。