3人目は非常に迷う。前述したガンバ大阪の中谷と鈴木も選ばれるに値する活躍を披露し、町田の守備を統率するドレシェヴィッチや、アビスパ福岡のイラン人FWシャハブ・ザヘディ、サガン鳥栖のブラジル人FWマルセロ・ヒアン、さらにヴィッセル神戸で傑出したプレーを披露している宮代大聖、サンフレッチェ広島でゴールを量産した大橋祐紀、鹿島アントラーズの大卒新人SB濃野公人も候補になる。だが、「成長度」を理由に、ここでは名古屋グランパスの三國ケネディエブスを選びたい。2000年6月23日生まれの24歳。ナイジェリア人の父を持ち、そのポテンシャルの高さを青森山田高校時代から認められながら、アビスパ福岡時代は常に控えで“脆さ”の方が目立っており、名古屋加入時にも不安の声が大きかった。だが、主力CBが退団したチーム状況の中でスタメンの座を任されると、試合を重ねながら成長し、3バックの一角として自慢の高さとスピードを存分に見せつけている。まだ絶対的な安定感は持てていないが、それでも期待を大きく上回るパフォーマンスを披露している。


 この他にも新天地で活躍する面々が多くいる一方で、ここまで期待を裏切る働きになってしまっている選手もいる。鳴り物入りでの来日からデビューが大幅に遅れた浦和レッズのオラ・ソルバッケンが6月末で退団しながらも爪痕を残した中、開幕直後に出番を得ながらも“音沙汰がなくなった”のが、鹿島アントラーズのブラジル人MFギリェルメ・パレジだ。1995年9月19日生まれ。運動量と献身性を売りに、開幕前キャンプでのトレーニングマッチなどではスタメンに名を連ねて期待を集めていたが、いざ開幕するとベンチスタートが続き(スタメン1試合)、4月20日の第9節を最後に出番なし。自身のインスタグラムでは元気な姿を見せて日本を楽しんでいる様子が伝わってくるが、ピッチに立つ姿が見られなくなり、ポポヴィッチ監督からの構想からは完全に外れている。

 得点源として期待されながら未だノーゴールなのが、名古屋グランパスのFW山岸祐也だ。1993年8月29日生まれの30歳。流通経済大学からJ2クラブを渡り歩いてアビスパ福岡でJ1昇格に貢献し、J1でも2年連続10得点をマークした万能型ストライカー。引き抜かれる形で名古屋に加わったが、ここまで出場10試合でシュート15本を放ち、無得点となっている。開幕前に右ひざを負傷して出遅れると、復帰数試合で今度は左ひざ負傷で離脱。5月末に再復帰して現在4試合連続スタメン出場もゴールは遠く、周囲との連携不足の中で長所である動き出しの良さも不発となっている。オフの補強の目玉の一人でありながらの無得点は明らかに「期待はずれ」であり、チームの順位的にも古巣の福岡が6位で名古屋が11位では、思わず目を覆いたくなる。

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