ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド(ロイター/アフロ)
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 6月14日に開幕した欧州選手権「UEFA EURO2024」は、日本時間27日未明にグループステージ全日程が終了して決勝トーナメント進出16チームが出揃った。大会前に優勝候補に挙げた5カ国中4カ国(スペイン、ドイツ、ポルトガル、フランス)が「左の山」に偏った中、果たしてどのチームが勝ち上がるのか。いよいよ始まる一発勝負の戦いを前に、有力国の戦いぶりを振り返りながら、チーム力を再整理したい。

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 グループステージ3試合で最も称賛を集めたのが、スペインだ。優れたパスワーク、ボール支配力を認められていながら、黄金期(2008~2012年)と比較した際のタレントの小粒化と「パスは回してもゴールを奪えない」と揶揄する声もあったが、初戦でクロアチアを3-0で下すと、第2戦でもスコアこそ1-0ながら内容では圧倒してイタリアを撃破。第3戦のアルバニア戦ではレギュラー陣を休ませた上で、隙のないゲームコントロールで1-0の勝利を収めた。

 特に21歳のニコ・ウィリアムス(アスレティック)と16歳のラミン・ヤマル(バルセロナ)の両ウイングが躍動しており、このサイドの突破力は黄金期にもなかったもの。この“ニコ&ヤマル”2人を後方から支えるダニエル・カルバハル(Rマドリード)、マルク・ククレジャ(チェルシー)の両SBの働きぶりも頼もしく、中盤で自在に動くファビアン・ルイス(パリSG)が好調。お家芸の“ティキタカ”に加えてロングボールもバランス良く織り交ぜ、緩急自在の攻撃とハイプレスからの即時奪回戦術の浸透度が非常に高い。何より、デ・ラ・フエンテ監督のもと選手たちが黄金期のような一体感を取り戻し、自信と誇りを持ってピッチに立っている。

 開催国のドイツの評価も上々だ。若き知将ナーゲルスマン監督のもと試行錯誤を続けながら今年に入って一気に完成度を上げると、今大会では開幕戦でスコットランドを5-1で一蹴し、第2戦でも難敵ハンガリーに2-0勝利した。左右のMFに入ったフローリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)とジャマル・ムシアラ(バイエルン)の21歳コンビが俊敏な動きで相手守備陣を翻弄し、その2人の間でMFイルカイ・ギュンドアン(バルセロナ)が神出鬼没にプレー。彼らの後方から今大会が現役最後の舞台となっているトニ・クロース(Rマドリード)が高精度のパスを散りばめ、一部で衰えが指摘されていた38歳のGKマヌエル・ノイアーも再々、好セーブを披露した。

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ポルトガルは“順調”もフランスは…