そして、3試合で1失点の手堅さは評価すべきであり、ラウンド16で「腐っても世界ランク3位」のベルギー戦を乗り越えることができれば、その先に待っているであろう、ポルトガル、スペイン、ドイツと対戦した際、ボール支配率で下回っても縦に速い堅守速攻の戦い方が“ハマる”可能性は十分にある。そのためにも、4年前の前回大会も含めてEURO通算6試合でPKによる1点のみのエムバペの爆発が求められる。

 最もグループステージ3試合で期待を裏切ったと言えるのが、イングランドだ。第1戦でのセルビア相手の1-0は「まだ初戦だから」のエクスキューズがあったが、第2戦ではデンマークに劣勢の時間も長い内容での1-1、第3戦のスロベニア戦も0-0で終了。「見るべきものがない」と酷評され、スタジアムで居眠りするサポーターも話題になった。ブンデスリーガ得点王ハリー・ケイン(バイエルン)とラ・リーガMVPジュード・ベリンガム(Rマドリード)の最強コンビに、世界最高峰のプレミアリーグで活躍する猛者たちが顔を揃えるが、チームとしてはまったく噛み合っておらず。チームを率いるサウスゲート監督への批判の声は試合を重ねる毎に増大。グループ首位通過を決めながらも自国サポーターからブーイングを飛ばされる事態になっている。ただ、大会前の優勝候補5カ国中唯一「右の山」に入れたことは朗報だ。ラウンド16のスロバキアには負けることはないはずで、そこから調子を上げて行けば、「苦しみながらも決勝進出」はあり得る。

 その他、「左の山」にはジョージア、デンマーク、スロベニア、ベルギーが入り、「右の山」は、ルーマニア、オランダ、オーストリア、トルコ、スイス、イタリアが顔を揃えた。選手個々のタレント力を見ると、グループ3位通過ながらオランダが優れており、GKジャンルイジ・ドンナルンマが好セーブ連発のイタリアも、恒例となっている大声での“全力国歌斉唱”からチーム一丸の粘り強い戦いが可能なチームだ。しかし、それ以上に注目したいのが、ラウンド16で対戦するオーストリアとトルコだ。

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“ダークホース”は番狂わせ演じられるか