昨年は7勝11敗、防御率2.53。負け越したが、146イニングで自身初の規定投球回数をクリアした。今季は投球フォームで試行錯誤し、開幕2軍スタートとなったが、4月下旬に1軍昇格以降は8試合登板で4勝0敗、防御率0.49。
他球団の打撃コーチは、
「昨年までは立ち上がりが結構フラフラしていたけど、ギアが上がると打てる球がなくなる。今年は安定感がグッと増した感じがします。直球、スプリット、カットボール、ナックルカーブとすべての球種の質がいいので絞りづらい。あと、試合終盤になっても直球の球威が落ちない。体が強いんでしょう。年々良くなっているし、山本由伸クラスの投手になる可能性がある」
と分析する。
佐々木が高性能の投手であることは間違いない。ただ、「無事是名馬」という格言があるように、故障で離脱しないことも一流選手の証と言える。
佐々木はロッテでやることがまだまだたくさんある
スポーツ紙デスクは、
「今年のオフに佐々木がメジャー挑戦することは現実的ではないし、ロッテがポスティング・システムを認めるとは思えない。仮に挑戦したとしても今の状態だと故障が多く、短命のキャリアで終わるリスクがある。コンディション作りを含め、ロッテでやることはまだまだたくさんあります」
と指摘する。
ロッテは首位・ソフトバンクと11ゲーム差の3位につけている。逆転優勝に向け、「令和の怪物」の力は不可欠だ。日本で文句なしの実績を残し、メジャーに羽ばたいて欲しい。そう思う野球ファンは多いが、佐々木朗の心中はいかに――。
(今川秀悟)