永井美奈子さん(撮影/門間新弥)

――自問自答した末に、どのようなポジションを目指そうと考えましたか?

 アシスタントのエキスパートになろうと。アナウンサーは制作スタッフの代表です。「マジカル頭脳パワー‼」では私だけインカムをつけていました。クイズをやると「これが正解かな?」って迷った時に、スタッフから指示が来ます。番組の空気、制作スタッフの意図をくみながら進行のサポートをする。正解がない世界ですが、瞬時に判断して「このワードは面白いな、拾いたいな」って思ったらフォーカスしたりしました。

 番組によってアシスタントの役割は変わります。「24時間テレビ」では、徳光(和夫フリーアナウンサー)さんが1秒でも長く話せるように、ほかの部分を削ったり調整したりして。自分が主役になるより、メインの司会者の助けになったり、トスを上げたりとかそういう役割が好きなんですよね。人が輝くことで自己肯定感が上がる感覚がありました。

小池裕美子さんの言葉に涙

――日本テレビに8年半在籍しました。改めてどのような職場だったでしょうか?

 アイドルアナウンサーと評価されることが多かったですが、勘違いしないですんだのは素晴らしい先輩たちのおかげです。根気強くアナウンスのイロハを教えていただきましたし、年数を重ねても良い部分は良い、ここは直したほうが良いという部分をきっちり指摘していただきました。何年経っても特別扱いはなかったですし、すごく厳しかった。でもそんな環境で揉まれたからこそ今がある。感謝の思いでいっぱいです。

――先輩のアナウンサーから掛けられた、印象に残る言葉はありますか?

 私が入社してからの地獄の時代に、報道で長くご活躍されていたアナウンサーの小池裕美子さんに「助走が長い飛行機は長く飛べるから」と声を掛けられた時は涙が出ました。実は小池さんと一緒に仕事をしたことがないんです。でも、一人一人をしっかり見てくださる。小池さんは語録を作れるぐらい凄い方です(笑)。心に残る言葉はたくさんありますね。私が新人で研修期間の時に、小池さんに「ボールペンを貸してくれる?」と言われて。

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「靴下を右からはくとかルーティンを作らない」