ジョイ・ディヴィジョンのアルバム「アンノウン・プレジャーズ」のジャケットがデザインされたTシャツ。この絵柄に見覚えのある方も多いのでは?(編集部スタッフ私物)

 まずはジョイ・ディヴィジョン。1stアルバム「アンノウン・プレジャーズ」(1979年)のジャケットを見れば、多くの人が「このデザインのTシャツ、見たことある!」と思うはず。

 イギリスのマンチェスターで結成されたジョイ・ディヴィジョンは、1970年代後半のポスト・パンクを代表するバンド。鋭利な緊張感に貫かれたバンドサウンド、ボーカリストのイアン・カーティスが放つエキセントリックな歌声は当時の音楽シーンに大きなインパクトを与えた。「アンノウン・プレジャーズ」のジャケットのデザインは、1967年初めて発見されたパルサー(パルス状の波を発する天体)「CP1919」からの無線パルスがもとになっているそうだ。

 イアンは23歳の若さで逝去し、バンドは解散。残されたメンバーは“ニュー・オーダー”を結成し、UKを代表するバンドの一つとなった。

 もう一つはソニック・ユース。こちらはUSのオルタナティブロックを象徴するバンドだ。ビジュアル、デザインのセンスが優れていることでも知られ、何枚ものアルバムジャケットがTシャツになっているが、もっとも有名なのはメジャーデビューアルバム「GOO」(1990年)のジャケットだろう。カバーに採用されたモノトーンのイラストは、イラストレーターのレイモンド・ペティボンによるもの。モチーフになったのは、1960年代にイギリスで起きた「ムーアズ殺人事件」の共犯者マイラ・ヒンドレーの妹モリーン・ヒンドレーとその夫デヴィッド・スミスの写真だと言われている。

 両方とも一般的にはかなりマニアックだが(曲を聴いたことがある人より、Tシャツを持っている人の方が多い気がする……)、どちらもメインストリームとは異なるシーンで確固たる評価を得ている最高のバンドだ。「Tシャツは持っているけど聴いたことない」という人はぜひ、ちょっとだけ関心の領域を広げて、彼らの音楽に耳を傾けてほしいと思う。というか……、聴かないバンドのTシャツを着るな!

(文/森 朋之)

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