海外バンドのTシャツが若者たちのおしゃれアイテムになって、どれくらい経つだろうか?
今年もさまざまなファッションブランドがこぞってバンドをモチーフにしたTシャツを発売している。Gapは今年の春、世界的なロックアーティストとコラボしたバンドTシャツコレクション(ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、AC/DC、ジミ・ヘンドリックス、フリートウッド・マック)を発表。H&MやユニクロなどでもバンドTシャツは人気の定番商品だ。
当然、街中でもバンドTシャツ――ニルヴァーナ、メタリカ、アイアン・メイデン、レッチリなど――を着ている若者を目の当たりにするわけだが、そのたびに筆者(50代の音楽ライター)はこう思ってしまう。
あなたの着ているTシャツのバンド、聴いたことありますか?と。
「あなたが聴かないバンドのTシャツを着るのをやめろ」SNSで話題
この話題はSNSでも繰り返されている。
2020年2月には“Stop Wearing T-Shirts of Bands You Don’t Listen To”(あなたが聴かないバンドのTシャツを着るのをやめろ)というメッセージを掲げた白人男性の写真がTwitter(現X)にポストされ話題になった。それに対しては、「俺も激しく同意。ファッションなんてくだらない」「形や見た目から入ったとしてもそれはそれでええやん」など賛否両方の意見が集まった。
優勢なのはやはり“好きで着てるんだから、別にいいんじゃない?”派。バンドTシャツがすっかり一般化した現在、“聴かないバンドのTシャツを着るな”派は完全にマイノリティだろうし、そんなことを言おうものなら“メンドクサイ音楽ファン”として扱われるに違いない。その自覚も十分にある。
筆者がこれまでに購入したバンドTシャツ、アーティストTシャツは、ザ・ストーン・ローゼズ、ジーザズ&メリーチェイン、デヴィッド・ボウイなどUKアーティストが中心。