小池さんが掲げた待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、都道電柱ゼロ、多摩格差ゼロ、残業ゼロなど7つのゼロ、12のゼロの公約はほとんどが未達成。そんな中、都の予算の多くが小池さんのアピールの場に使われているとの指摘もあります。
蓮舫さんの出馬会見のとき、小池さんの顔写真やメッセージ付きの防災ブックを配るために11億円の予算増、防災ポスターを張った町会には総額8.5億円の補助金が支払われたという指摘が出て、驚きました。形を変えた選挙活動だと言われても致し方ないし、税金の使い道としておかしいのでは?という話になる。選挙戦をきっかけに小池都政の問題が掘り起こされて、何が出てくるのかは今後期待したいところです。
個人的には、「今も都庁前の炊き出しに800人もの列ができる中、都庁舎のプロジェクションマッピングはいつまで続けるのか」「関東大震災での朝鮮人虐殺への追悼文の取りやめはどうするのか」といったテーマにも問題意識は持っていますが、何よりも危機感を抱いているのが、今の都庁記者クラブの異様な状況です。
都合の悪い質問が見事なまでに出ない
――「記者クラブが異様」とは、具体的にどのような状況なのでしょうか
記者会見の質疑応答で、小池さんにとって都合の悪い質問が見事なまでに出ないんです。たとえばプロジェクションマッピングの件は都民からも批判が上がっているのに、問題を追及する代わりに、「せっかく人が集まっているのに、都庁のコンビニが土日に閉まっていては経済効果が半減するのでは?」みたいな質問が出る始末で。
小池さんの学歴詐称疑惑については、うち(※東京新聞)の都庁キャップが何度か聞いていますけど、他社はあまり追随しません。批判的な姿勢が煙たがられているのか、うちの記者は都民ファーストの会や自民・公明系の都議になかなか取材を受けてもらえない、受けてもらえても文句しか言われない、みたいな嫌な目に遭っているという話も聞きました。