記者クラブの状況ふくめ、長期化による閉そく感が漂う小池都政と、自民党中心の政治をリセットしない限り、都民のための政治を取り戻すことはできないのではないかと感じています。

 もちろん、都政を変えるのは大変だと思います。仮に蓮舫さんが知事になっても、都民ファ・自公が圧倒的多数を占める都議会の構成を変えないことには、なかなかやりたいことを通せないでしょうから。でも、まずは今とは違う人がトップに立たないと、何も変わらない。

「私と少し似ているところも」

 蓮舫さんは、私の中では「質問力に長けた政治家」という印象です。先日の政治倫理審査会でも裏金問題について厳しく問い詰めて、あの世耕さん(※自民党・世耕弘成前参院幹事長)をワタワタさせていたし。容赦なく切り込んでいくスタイルには、私と少し似ているところも感じますが、蓮舫さんは一つひとつの質問が手短だし、とても頭の切れる方だと思います。

 とはいえ、問題を追及したり政策を細かく点検したりする能力と、手持ちの材料をうまく使って政治を動かしていく能力はまた別物だろうとも思うので、知事になったときの手腕というのは未知数ですね。

――望月さん自身は、政治家を目指そうという気持ちはないのですか

「そんなに政治批判ばかりするなら、選挙に出たらいいんじゃない?」と、知人や与野党の議員の方々から言われたことはあります(笑)。でも私、全然向いてないんですよ。与党はもちろん、野党勢力と言えども、いつなんどき与党になるかは分からない。政治の中枢に入るよりも、時の為政者をきちんと監視したいという思いのほうがずっと強いですね。

望月衣塑子氏(写真:本人提供)

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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