定例会見に臨む小池百合子氏

 フリーランスの記者が会見の場から締め出されていて、オンライン上からしか参加できないことも、今の閉鎖的な空気の一因でしょう。2017年に小池さんが希望の党を設立したとき、フリー記者の横田一さんから「(合流を目指す旧民進党の議員を) 排除するんですか?」と問われて、「排除いたします」と言ってしまった、あの失言を機にフリー記者に対する恐怖心があるのかなと思います。

――菅義偉氏が官房長官だったとき、望月さんは孤軍奮闘で菅氏に厳しい質問をぶつけていました。今の小池都知事の会見に、当時と似た雰囲気を感じますか

 私は都庁担当ではないので、会見は中継で見ているのですが、菅さんの会見のほうがまだましだと思いますよ。官房長官会見は、都知事会見以上に多くの人が見ていることもあり、会見の最後には一応望月も指して2問くらい質問させる感じでした。でも今の小池さんに、都合の悪い質問をする記者はほとんどいません。

学歴詐称疑惑には明確な回答を避け続ける

 記者会見に限らず、都議会でも “独裁化”が進んでいるように見えます。3月の予算特別委員会で、立憲民主党の関口健太郎議員が「知事に対して厳しい質問をしたり、耳ざわりなことを言ったりする議員には76%の確率で答弁拒否をしている。答弁拒否どころか答弁差別だと思う」と小池さんを批判したら、都民ファと自公は「不穏当な発言」として速記録から削除を求め、賛成多数で動議が可決されました。

 かつて小池さんは、「東京大改革の一丁目一番地には情報公開がある」と言っていたのに、メディアがきちんと監視・追及してこなかったせいで、ある種のモンスターを生んでしまったように思えます。

 一方、蓮舫さんの出馬会見では、フリーランスの記者もけっこう指されていましたよね。私も参加しましたが、久々に普通の会見だったなという印象でした。

――望月さんは、次の都知事として蓮舫氏に期待しているのでしょうか

 小池さんは、学歴詐称疑惑に対していまだ明確な回答を避け続けています。また小池さんが出馬した場合、裏金問題に反省の色が見られない自民党と、それをアシストする公明党が支持するとされている。

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望月氏自身の出馬の可能性は